16日目 〜農場の未来。自分が懸命になることで始めて知った真実〜

俺はアーロンの手の中で踊らされていた。アーロンと1対1で話し、その事実を知った時、思わず走り出してしまった。まだ見ぬ景色があった。なぜ今まで狭い世界の中で満足していたのか。

 

 

 

時は遡り昨晩。雷が鳴り響く中、全く眠れなかった。1つは、暑いからって昼寝しすぎたw。1つは、ワクワクして眠れなかった。未来像が頭の中を駆け巡っていた。とにかく、全然眠れなく、本を読んだりして3時くらいまで寝付けなかった。睡眠、体調のマネジメントの基本をしっかりやりたいのになあ。

 

 

それでもしっかり7時に起きなければならなかった。いつもののように共有スペースを掃いて仕事へ。資料作成。ネットのつながりが悪いのもあるけれど、寝不足もありなかなか進まない。

 

 

 

その後はアーロン達と蟻を集めに行った。めっちゃでかい蟻塚が何個もあって、それを壊して大量の蟻を掃除機で吸い取り集めればタンパク質として有効利用できるとのこと。結果は大失敗。蟻と一緒に大量の土も吸ってしまって、選別できない。たくさん集めた蟻は鶏のえさへと消えてった。

 

 

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そんなことをしたり、昼間の暑い時間に仮眠をとったりしていると、急に2週に1度のマネージャー会議があることを知らされる。様々な進行中事業の展望について話しあった。全部農業の話しだから、もちろん俺は発言することなんてできなかったのだけれどもまあ仕方ない。これから雨季だから、めっちゃいろんな事業が動きだすようだ。面白かったのは野菜などの周りにマリンゴールドなどの花を至るところに植えるということ。これにより蜂蜜の生産量が増えるだけでなく、害虫を混乱させ作物から守ることができるらしい。

 

 

さて、ついに社長のアーロンと1対1で話す時間がやってきた。今まで立ち上げたプランなどをまだ話していなかったのだ。俺の欠点でもある。自分の中で納得するレベルに達するまでなかなかアーロンに自分のプランの話しを持ち出さなかった。育った環境だろう。父親が怖くて、めったに自分の意見を言えなかった。指摘されるところがなさそうだと思うまでまとまってから、話したいことがありますといって話しを切り出していた。でもその習慣が今チャンスを減らしている。自分の意見をすぐに言えないのだ。ためらってしまうのだ。これでは人生を通じて損する。(いやいい側面もあるだろうけど)

 

 

自分の農場の分析や、今後のプランを話すときめちゃめちゃ緊張した。震えていた。英語で伝えなきゃいけないからでもある。でも、自分の思いを伝えるって、すごい力が湧いてくる。アドレナリンがドバドバ出る。楽しい。こんな風に、自分のビジョンを多くの人に伝えらるような人生にしたい。

 

 

 

アーロンはさらに大きなビジョンを持っていた。俺がクラウドファンディングを通じて教育システムを構築する案を話したとき、初めてそれを語ってくれた。農場を拡大させるだけでなく、ここにでっかい農学校をつくることを計画していた。35のスキルを得られるプログラムを作り、東アフリカにいる1億人近くにのぼる孤児を対象にする教育制度だ。農場で働き実際に農業を学びつつ、既に1000億円規模の資金を抱える財団や、教育関連機関の協力を取り付けている。ただまずそのために農場を確立させなければという。こんなビジョンを隠し持っていたのか。。すげえワクワクさせられた。この教育システムができれば本当に社会が変わる。なんでもっと早くこの話を彼から引き出せなかったのか。こんな壮大な話の中で、自分のビジョンは霞んで見えてしまった。もっと広い世界を見て、大きな価値を発揮できるようでありたい。

 

 

 

途端に、自分は何をしていたのだと情けなくなった。ある程度の見通しを立て、ある程度の行動で満足していた。思わず走りだしてしまった。先ほどのアーロンとの対話の中で、まだ農場内に入ってない場所があることを知ったのだ。そこで新たな人と新たな景色を見た。今までよりも強く広大なアフリカの大地を感じた。ああ、自分はまだ、自分が創り上げた世界の中で満足してしまっていたと感じた。

 

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とはいえ、現状今自分がすべきこと、この間立てたプランは変わらないだろう。いかに最大化できるかを問い続けることと、絶対に実現させるためのさらなる努力の必要性をさっきまでと比べ物にならないほど感じたということだ。

 

 

 

うわああ、まだまだ先がある!スケジューリング甘すぎた。これじゃ高次元で実現しない。てか、俺はまだまだやれる。自分の世界を作りあげてミランで一人黙々と練習に励むという本田圭佑ロールモデルを忘れていた。まだ流されていて、それなりに効率よくパパッと作業する感じだった。これはまだ本気じゃない。没頭してない。周りに目もくれず突き進むような迫力がない。少なくとも受験期より努力していない。俺はそれをしにここに来ていたはずだ。生活すべてをマネジメントして、さらなる高みを。

 

 

余談:あと思ったことのメモなので気になった人だけどーぞ

 

アーロンは、コミュニケーションスキルとデザインスキルに長けている。俺の好きなタイプだ。農場や未来のビジョンを生き生きと描く。そして伝えるのがうまい。英語で話しかけられてるのにワクワクしてくる。だからこそ人が集まってくる。農場に来た人でアーロンに惹かれてきた人も多い。アーロンは鼓舞したり場を楽しませたりするのが上手い。(ただそれが体系化されず、個人の能力に依拠しているため、アーロンが農場を離れている間労働者のマネジメントが上手くなされていない。やはり自分が評価システムを作ることは重要。)人を巻き込むのがうまい。この現地人との人間関係は彼だからこそ作れたものだろう。

ただ、実現性に弱い。農場の現状に現われている。これを確実に実行していけるような幹部が必要だな。自分はそれになれるか?あまりなりたくない。信長の配下で着実に才能を発揮する明智光秀ではなく、自ら天下布武を頭に描き行動できる信長でありたい。アーロンのように、未来を描ける人物でありたい。だから、今農場にとって最も必要なことでないとしても、俺自身のwantとビジョンに従い、突き進んでいく研修にしたいと思った。

 

いやあ、やっぱアーロンと話す時間を設けられると学び多いな。

 

あと、みなさんもうお気づきかもしれないけど、私感情の起伏が多いです笑。浮き沈み激しく、書いてる時ハイになってることがしばしば。研修中。このハイの状況をどれだけ長く持続できるのか?見ものですね。

 

 

15日目 〜動き始めた日々。夕方の余暇にアフリカの大地を楽しむ〜

 

15日目

 

今日は一日Priceless Farmsの説明資料を作成。ネット環境がなくてイラストや画像を有効利用できずだいぶ苦労した。

 

しかし、相当自由にやっている。自分が何をしているのか、しっかり示していくことはとても重要だ。14日目に作った農場の現状分析と自分のToDoを貼り出して、全員が見られるようにしている。今まではパソコンに向かっていると、暇してるんじゃないかと思われて力仕事を手伝わされたりしたけど、今は相手も俺がどんなことをやっているのかわかってくれている。

 

 

yo-dash0624.hatenablog.com

 

 

1日中集中して作業を行った後、池(沼)に泳ぎに行くのに誘われて行った。気持ち良し。沼のほとりで夕日が沈むのを見ながらゆったりとしていた。

 

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だらだらしている時の遊びの時間=怠惰と、懸命に動いていて未来を見据えられている時の遊びの時間=余暇は違うもので、とても気持ちがよかった。

 

そして今夜はストーーーム!!!農場来て初の雨!地球の恵み!雨季への変わり目!フォーーーー!雷がすごいーー!

 

 

明日は涼しくなるかも

 

雨季はまるで別の場所かのように、木が生い茂り花が咲きフルーツが成るらしい。めっちゃ楽しみ。

 

14日目 〜ついに今後のプランをしっかり立てられた。未来像が見えてくるとわくわくする〜

今日は丸一日、スケッチブックとノートとペンに向かっていた。

 

途中、ここの人がどうやって働いているのか見て回ったり、マネージャーに農場の話をヒアリングしたりしたけど、基本、分析→プランニングで頭使った。逆に言うと、やっとのことで頭を使えるくらい現場を理解し始めたということでもあり、自分が持つべき役割(少なくとも農業をやるべきでないということ、経営的視点やよりマクロな視点の方が勝ちを発揮できるということ)を腰を据えて見据えられるようになったということだ。

 

 

他にめっちゃ印象的な出来事があるわけでもないので(あ、アーロンが婚約者と一緒に農場戻ってきた。)、ボトルネック分析後の自分のなすことリストとスケジュールを記すことでここに宣言しよう。英語でも書いたけどここは日本語で。

 

ちなみに、俺がスケッチブックに書いていた内容がこちら。これは農場に貼り出して、労働者に俺がやってることをアピールしました。

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優秀な人材が少ない → 大学生中心に集めるイベント開催を通し人材獲得に繋げる

 

1イベントの目標設定

2イベントの内容プラン

3集客ーFacebookページ開設、現地アイセックとの協働

4イベント実現への行動

 

(避難民とか仕事がない人、教育を受けていない人に仕事を与えるというビジョンを企業が持っているため、仕事を任せられる人材がほぼいない。ウガンダトップ大学の人材にリーチできれば、その人の出身地域にいる専門家へのアプローチにもつながる。)

 

221日までにプラン。22日までにFacebookページ設立

ーその後B~Dと並行して常に行動

 

B

投資と専門知識の欠如 → 日本機関との協力獲得&費用対効果の高い新事業開始

 

1リスアプ

2できる限り訪問

3現地情報の収集

4できれば協力を要請し、アーロンに合わせて直接交渉

 

(純粋に、自分自身の力ではなく、すでにこの地で試行錯誤している日本人の力を借りようとすることは大いに農場に役立つはず。そっから見えてくる自分のビジョンもあるはず。)

 

219日までにリスアプ&アポ取り

ー3月第1、2週中心にできる限り回る。農場まで来てくれそうな人も探す。

 

 

C

労働者が自分本位で怠惰 → 新システム導入

 

報酬・表彰システム、労働の報告システム、評価システム、未来像共有システムの提案と実行。

 

(働き手が、より働くことによってメリットが得られるというマインドを持っていないと感じた。具体的に1日の間に何をするのか管理しきれていないと感じたことによる。また、評価されることで社内で高い地位を得られ、企業が拡大したのちに大きなメリットを得られるとは到底思っていない。目の前の労働をうまくやり過ごして、それなりに給料をもらおうとする人が多い)

 

ー3月第3週に農場に戻ってきて実行。

 

D

投資が少ない。農場規模拡大以外にお金を使えない → クラウドファンディングによる資金調達と、資金計画

 

1ブログによる継続的な現地報告

フェイスブックページ作成

3資金計画と実施計画作成

4クラウドファンディングの実施

 

目標5000ドル。これをこの農場で使う計画を自分で自由に立てる。現在の経営ではカバーできない学校の設置や、生活水準向上に使う計画を立てるもよし。それ以外の使い道でプラン立てるもよし。

仮に50万自由に使ってこの農場にアプローチできると考えたら純粋にワクワクする。

 

ー3月23日までにアバウトな計画立て。

ー24日までにFBページ作成。

ー継続的報告。

 

(やぎさんのパイナップルワインからの発想でもある。ただぶっちゃけ農場内にもちょっとした格差があって、言語も違っていて、学校を作ったりするのはいじめとかにつながりそうで怖い。なにか他の形でひねり出したい。)

 

 

 

PS: 前週報に、教育制度も農場内にあるって書きましたが大いなる勘違いでしたwwNursey Systemって、google翻訳さんにお願いしてみると保育園制度なんですね。それで、お、学校あんのか!って思ったんですが、Nurseyって幼木って意味もあって、幼木を農場で育てるシステムでした、、、ショック。

あと、農場をもう一個作ってきます!ってみんなに宣言しましたが。意味ないなと悟りました。理由は以下の二つ。A,まず今の農場が全然確立されてなくて、もう一個作ってもどう考えても手は回らない。B,一個目の農場の土地が余りまくってる。半分も土地を有効活用できてないからまずそこをうまく使っていくべき。

 

 

 

 

 

うお~~~!!だいぶ見えてきた!ボトルネック分析と、自分の行動計画をとにかく細分化することはいつでも大切!もうここに書いちゃったんだから実行するしかないぜ!!!走るよ!走り抜けるよ!!!

 

 

 

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13日目 〜はじめて農場内で価値を発揮し始めた日〜

 

農場でまだ不完全な部分がいろいろあって、仕事をください!と言えば灌漑システム頑張って作ってみてくれとか、やりがいある仕事をもらえたかもしれません。けど、アーロン(社長)に何をしたいの?って聞かれた時に僕は、「自分自身で考え続け、やるべきことを見定める。そのプロセスをやりたいのだ」と答えました。だから自分ができることを創り出そうとしなきゃいけないのですが、国際交流異文化理解という名の有意義そうな魔物に囚われ目を背けかけていました。いや、農業の知識も皆無だし英語も通じないしできることねえ、、

 

 

 

いろいろ悩んだ挙句まず鶏の管理シートを作ってみることに。何でもいいからまずやってみたのが良かった。現在の状況と、これまでの情報(コストと生産スピード)から今後の見通しをたててフィナンシャルプラン、投資プランまで仮置きでだけど作った。そしたら今現時点で普通に赤字だってことが判明した。それだけじゃない、いろいろ聞いたり調べたりするうちに、この農場今完全に赤字。乾季だからってのもあるけど、仕事を任せられる現地人がずっといなかったこと(すぐ盗みとか怠惰とかになる)や家畜が病気で死んじゃったこととかが理由でほぼものを売るという段階まで到達していない。今まで読んできた文書は、全部3年前くらいに作った展望が書いてあったもので、現状はかけ離れていた。それほどこの地でビジネスをやる(現地人を雇って)のは難しいのだと改めて実感。

 

でも、それくらい管理が行き届いてないんだなって視点でこの農場を見たら、めっちゃ問題点ややるべきことが見えてきた。今まで、何か「農業」をしなきゃ!って思いに囚われてた。自分ができることを冷静に考えたらもっとやれることが見えてきた。

 

 

人類のためになることを仕事にする。仕事って、惰性じゃなくて自分で選べるもんだよ。【ウガンダインターン】

 

僕が働いている農場は営利企業なわけだけど、ただ作物作って金稼ごうって話じゃあない。

 

プランテーションじゃなく、いろんな木々や作物を一つの土地に織り交ぜて、肥沃な土壌・豊富な木々・多くの作物を同時に実現させようとしている。労働者にも住む場所や最低限の生活を与えることで貧困層に仕事と環境を与えている。

自分たちのノウハウを拡大していくことによって広大な土地に森林を蘇らせ、地球の環境の向上につながる。それに有機農法で健康的な作物を育てているし、材木としてよりも果物を採る木を植えているから、持続的に人類が地球で生きて行くことに貢献している。実際にその未来につながるかはわからないけどそうゆう思いをもって働いている。

 

だからアメリカやらイタリアやらポルトガルやらいろんな農業の専門家みたいな人が集まって農場を見に来たりしている。彼らと喋っていて、本当にいろんな生き方があるなあと感じる。去年までブラジルにいて来年はタイでプロジェクトをやるんだって人とか。

 

 

彼らと話していて、みんな自分の思いとか、人生でやりたいことを持っているなあと感じた。目指している善とは、自分の中で作り出した主観的な善でしかないと斜めに考えてしまう自分もいるけれど、それをできる限り普遍的なものとして追求しつつ、自己の幸福と共存させるような生き方を探していた。そして実際にそんな生き方をしている人をたくさん見ることができた。

 

 

日本にいると、就職活動をして就職する。そんな未来ばかり見えてしまうけれど、もっといろんあ生き方があるんだなと思えた。

 

さあ、僕の人生はどうなる?君はどうする?