天皇って日本に本当に必要か? 税金で飯食ってるような存在許しちゃダメ? 〜日本における天皇の意義と必要性を探る①〜
天皇って日本に本当に必要か? 税金で飯食ってるような存在許しちゃダメ? 〜日本における天皇の意義と必要性を探る①〜
本100冊読破シリーズの第一弾。今回は、「皇室がなくなる日」。
皇室がなくなる日: 「生前退位」が突きつける皇位継承の危機 (新潮選書)
天皇は日本の象徴であり、いて当たり前の存在だ。
僕自身、小さい頃からなんとなく、上の観念に囚われていた。
しかしそんな自分の中での当たり前が、数年前に知り合ったベネズエラ人の友達にあることを言われたのがきっかけで変わった。
「お前たち日本人は、どうして天皇なんてものを置いてるんだ? そもそもあいつらはどうやって生きているんだ? 国民の税金で生活してるんじゃないか?」
驚愕した。
そんなこと考えたこともなかったし、それを言われて僕は全く言い返せなかった。確かにその通りだと思ったし、これ以降ずっと、天皇なんていらないと思っていた。
また、ニュースで一々皇族に様をつけたり仰々しい敬語をつかっていたりするのを軽蔑していた。古い思想に囚われやがってなどと毒づいていた。天皇は必要ないんじゃないか。そう思っていた。
そんな僕に、天皇の意義と必要性について考える材料を与えてくれたのがこの「皇室がなくなる日」だ。
天皇の存在意義や必要性はあるのか
結論からいえば、「ある」であり、僕自身も納得している。なぜ天皇の存在意義があるのかを知るためには、歴史を学ばなければいけない。
日本は天皇を中心とする中央集権国家であった
天皇を中心とする中央集権国家とは、天皇制国家とも言い換えられる。そしてそのような体制は、日本政治史上において古代の律令国家と近代の明治国家に見て取れる。
話は、『日本書紀』などが書かれた7世紀頃、さらにはその前の時代まで遡る。6世紀末ごろ、中華帝国である隋が東アジアの中で覇権を拡大していた。この隋に対し聖徳太子が自主・対抗外交を打ち出す際、高句麗の先進性に注目しその思想を積極的に吸収した。高句麗から吸収して出来上がった王権思想の最大の特徴として、天井の天帝と地上の皇帝を峻別しつねに易姓革命の起こりうる中華帝国とはちがい、天皇は天井にある神の子孫としての現人神であるという天孫降臨の神話を根底にすえていることがある。これは、高句麗を通じて倭国に流れ込んだ北方民族の建国神話と重なるものであり、これにより聖徳太子は、理論武装としての隋への対抗を実現した。
その後作られた『古事記』には、『日本書紀』と違い政治的な作為が感じられることからも、天皇神話を利用して政治体制を作り上げていったことが伺える。
その後も天皇は政治の中心であり続けた。武士が台頭してからも例外ではない。鎌倉幕府は後醍醐天皇に潰されたのであるし、豊臣秀吉も徳川家康も天皇を滅亡させる力を有していながらそれをしなかったのは、天皇の神聖さや古代から続くことによる権威を認めていたからである。
参考:鎌倉幕府は何故天皇家を滅ぼさなかったのか?|本当の日本の歴史と、日本人を知って、自信を持つ日本人になるためのブログ
また、幕末において、日本の武士たちが天皇の統合力に注目したこともいうまでもない。 坂本龍馬ら志士は、早くから外国勢力に立ち向かうために天皇を中心として日本国をまとめていくことの必要性を感じた。これは、当時の国学の流行りなどにより、天皇の統合力と権威が改めて見直された結果と言える。
7世紀と19世紀に降りかかった日本への二大外圧に対して、日本は国家の独立を維持すべく、天皇の統合力をバネにして天皇制国家の樹立を志向したといってよかろう
天皇は、日本の歴史において、政治権力を持っている期間は短いにせよ常に権威ある存在であったといえる。
外国の皇帝や国王と、日本の天皇の明確な違い
これを読んで、明確にわかったことは、外国諸国における皇帝や国王とは比べ物にならないほど日本の天皇には正当性や権威があるということだ。
諸外国の帝は、なんだかんだどこも王朝が変わったりだとかいろいろしている。しかし、日本は、少なくとも記録上は、その起源からずっと子孫が継承し続けているのである。これは驚くべきことだ。日本の長い歴史を鑑みてもまさに日本の象徴としての存在にふさわしい。
今、ベネズエラ人の友人にもう一度天皇の存在意義・必要性について問われればはっきりと言うことができると思う。
日本の天皇は、確かに外人からみれば奇妙に思うかもしれないが、他国を見てもこれほどしっかりと一つの血統で連なる存在はなく、日本の象徴として大いに意義ある存在なのだ。
一応加えておくが、僕は右翼でもなんでもない。でも日本への愛着とかは普通にあるし、この日本でずっと正当に継承されてきた天皇って純粋にすげえなって最近思い始めたし、そう思う日本国民は(特にお年を召した方中心に)とても多いのではないかと思う。
>>次回続き
天皇の継承問題について